日光二荒山神社所蔵の由緒ある
御神刀(ごしんとう)が存在します
3振りの大太刀を
今回はご紹介します
祢々切丸
その破格の刀身の長さは実に216.7cm
そして重量は24kg
日本一の大太刀として名を知られている
作刀は平安時代の中期に活躍した
三条宗近とも
鎌倉時代末期の来国俊とも
言われているが、
無銘でありはっきりとしたことは
わかっていません
さて祢々切丸の由来ですが、
その昔、日光山中に「祢々」という妖怪が
出没するようになりました
民を驚かせては楽しんで
悪さを繰り返していた
ある時二荒山神社の拝殿に安置していた
大太刀がひとりでに鞘から抜けでて
飛び出したあと妖怪を追い回します
川を渡りさわを駆け上がり逃げ回るが
ついに二荒山神社の前に追い詰められ
妖怪「祢々」は斬り捨てられました
以降この大太刀を祢々切退治にちなんで
祢々切丸と呼ばれはじめました
柏太刀
この太刀も日光二荒山神社の御神刀の一振りであり
瀬昇太刀と一組をなすと考えられており
神社での例大祭「弥生祭」では
柏太刀、祢々切丸、瀬昇太刀の3振りを
頭の付いた牡鹿の生皮に乗せ神前に祀る
習わしとなっています
作者は豊後高田一派ではないかと言われている
刃長は135.3cmと長く
柏餅を食べる端午の節句に奉納されたので
名を柏太刀 と名付けられました
柏は落葉樹でありますが、新芽が育つまで
落ちないことから子孫繁栄に繋がる縁起のいいものとして
大切に保管されています
瀬昇太刀
この刀の表裏には彫物があり
表には草の剣巻き龍
裏には神代である笹竹が
刻まれており
瀬昇りの名の由来は
この彫物の龍が
大谷川の瀬を登っている姿に
なぞったと言われます
無銘であるが、
作風から備前伝ではないかと思われる
そのころの備前では兼光、元重と著名が
並んでいるがこの太刀は
傍系に属する刀工だったのではないだろうか