〇平家に伝わる 秘蔵の太刀 抜丸
抜丸は平忠盛の秘蔵の太刀といわれている
忠盛が池の近くで居眠りをしていると、池の中から大蛇が現れ飲み込まれそうになった
すると枕元においてあった太刀が、ひとりでに抜け大蛇に立ち向かった
大蛇は驚き池に帰るが、太刀が鞘に収まると再び現れるため最終的に太刀が池端に立ちはだかった
それいらいこの太刀を 抜丸 と名付けた
また別の伝承では
伊勢の国に住む男が、伊勢大明神のお告げで、授かった太刀で
猟に持っていけば必ず獲物を捕らえることできた
あるとき太刀を大木に立てかけて寝ていたところ
翌朝には大木が枯れはててしまいことから 木枯(こがらし)と名付けられた
のちにこの太刀を平忠盛が買い上げ大蛇を退治したことから 抜丸と改めた
〇平家から天皇陛下へ伝わる御物 小烏丸
この刀は平安時代の名刀であり、伝説の刀工天国の作ではないかといわれている
日本刀が直刀から湾刀へと変化を遂げる時期に作刀されわずかに反りがあり
切先は両刃となっておりこの造りを 小烏丸造り や 諸刃造り と言う
名の由来は諸説あるが
ひとつは桓武天皇が南殿に出御されていたときに
一羽の烏が飛んできた
笏で招き入れると降りてきて「伊勢大神宮からの使者じゃそなたに剣を授けよう」
といったのか一振りのこの刀を落とした説
もうひとつは平貞盛が平清盛の討伐の際朝廷より拝領し
兜の天辺に小さな鳥の像をつけた武者を斬った
これが平清盛の分身であった説
小烏丸は壇ノ浦の戦いで海底に沈んだと思われていたが、後の明治天皇へ献上された。